手残り診断書とは?
無料相談との違いと作成する意味
「先生に相談したんですが、難しくてよく分からなくて」
名古屋市で飲食店を営む山本さん(仮名・52歳)は、3年前から赤字が続き、廃業を決意しました。知り合いの税理士に相談すると、「清算手続きを進めましょう。費用は〇〇万円ほど見てください」と言われました。
「費用はわかった。でも、厨房設備や冷蔵庫はどうするの?居抜きって何? 弁護士は必要なの?」——山本さんの頭の中は整理できないままでした。
税理士は清算の専門家。でも「手残りを整理するための選択肢の整理」は別の話です。
「無料相談」だけでは何も変わらない理由
多くのサービスが「無料相談受付中」を掲げています。しかし、口頭での相談は:
- 話したことが記録されない
- 複数の選択肢を比較しにくい
- 「後で見返して考える」ができない
- 家族・従業員に説明しづらい
廃業という人生の重大決断を、口頭だけの情報で進めることには限界があります。山本さんも「相談はしたけど、結局どうすればいいか分からなかった」という状態でした。
「手残り診断書」とは何か
手残り診断書とは、「自社の資産・負債・契約関係を整理した上で、どの選択肢をどの順番で進めるべきか」を文書にまとめたものです。
診断書に含まれる主な内容
- 売れる可能性がある資産の一覧(設備・車両・在庫・不動産・事業)
- 出口パターンの優先順位(設備売却 / 事業譲渡 / 不動産整理 / 法的整理)
- 相見積もりの候補先リスト(中古業者・M&A会社・不動産業者など)
- 専門家に相談すべき論点の整理(税理士 / 弁護士 / 司法書士)
- 次に取るべき具体的な行動リスト
山本さんの場合、「厨房設備の居抜き譲渡の可能性」「賃貸借契約の原状回復条件」「弁護士が必要かどうかの判断基準」がひとつの文書にまとまることで、初めて「次に何をすればいいか」が見えてきました。
診断書ができてから動くと、何が変わるか
山本さんは診断書を受け取った後、以下の順番で動きました:
- 厨房設備・冷蔵庫を居抜き専門業者に価値の確認 → 引き取り手が見つかり、原状回復費が不要に
- オーナーとの賃貸借交渉 → 居抜き前提で退去日の調整に成功
- 残った什器はリサイクル業者に引き取り依頼 → 少額ながら買取に
- 弁護士相談は不要と判断 → 税理士のみで清算手続きを進行
診断書がなければ「とりあえず片付けて廃業」になっていたはずです。整理の順番と方針が決まったことで、動き出しのスピードも確実性も変わりました。
本格的な手続きに入る前に現状を把握したい方へ
税理士・弁護士への依頼を始める前に、まず「自社の全体像を文書として把握する」ことをお勧めします。専門家への相談は、全体像が整理されてからの方が、時間もコストも無駄になりません。
手残り診断書は、廃業という大きな決断の「地図」です。地図を持たずに走り出すより、まず地図を持ってから動き出す——それが、後悔しない廃業への第一歩です。
無料相談前の3つのお約束
- 売却や譲渡、および手残りの額を保証するものではありません。あくまで現在の状況を整理し、可能性を探るためのサポートを行います。
- 税務・法務に関する最終的な判断は、税理士や弁護士にご確認いただくようご案内いたします。
- 強引な勧誘や、特定の選択肢を無理に押し付けることはいたしません。お客様の状況に合わせた判断材料を提供いたします。