町工場を閉める前に、
工作機械・工場不動産・取引先を整理する理由

町工場を閉める前に、工作機械・工場不動産・取引先を整理する理由

「この機械たち、全部スクラップになるのか…」

刈谷市で精密部品加工を営む加藤さん(仮名・64歳)の工場には、35年かけて揃えてきた設備が並んでいます。マシニングセンタ2台、NC旋盤3台、三次元測定器。どれも現役で動く機械です。

後継者はおらず、取引先の自動車メーカーへの依存度が高まる一方、受注は減少。「シャッターを下ろす日が近い」と感じていた加藤さんは、処分業者に片付けの見積もりを依頼しました。

返ってきた金額は:設備撤去費 約180万円。工場の原状回復費 約120万円。合計300万円の持ち出し。

「30年頑張ってきたのに、お金を払って終わるのか」

処分の前に「整理」の順番を変える

加藤さんが間違えていたのは、「処分業者に相談する」ことを最初の一手にしたことでした。処分業者の仕事は「引き取って処分すること」。設備に中古市場での価値があるかどうかを教えてくれるわけではありません。

試しに中古機械の専門業者に問い合わせると、マシニングセンタと NC旋盤は状態が良ければ買取可能とのことでした。三次元測定器も、精密系の設備に詳しい業者なら価値を判断できます。

さらに工場についても「設備が入ったまま売れるケースがある」と不動産業者に教えてもらいました。「設備を先に抜いてしまうと、工場としての用途価値が下がる場合がある」というのです。

取引先も「資産」として見直す

加藤さんがもう一つ気づいていなかったのが「取引先の価値」です。

35年かけて培った自動車メーカーへの納品実績、品質管理の体制、加工ノウハウ——これを「仕事ごと引き継ぎたい」と考える同業者が近隣にいる可能性がありました。

同業者への声かけは、廃業の意思決定と同時に始める必要があります。廃業が世間に知れ渡った後では、交渉のタイミングを逃してしまうからです。

確認する順番の例:
① 設備の中古価値を複数業者に確認
② 工場不動産の売却可能性を不動産業者に確認
③ 仕事・取引先の引き継ぎ先を探す
④ 上記を踏まえた上で借入・リース残債を整理
⑤ 撤去・原状回復が必要な部分のみ処分業者へ依頼

加藤さんのその後

加藤さんは処分を一旦止め、設備・工場・取引先の3つを同時に整理することにしました。

中古機械業者への相見積もりでNC旋盤が買取となり、マシニングセンタは近隣の同業者が引き取りを申し出ました。工場は地元の不動産業者を通じて売却の見込みが立ちました。取引先への通知も、引継ぎ先が決まってからのタイミングで行えました。

「払うつもりだった300万円」が「受け取るお金」に変わりました。

これは特別なケースではありません。「処分前に確認する」という順番を守るだけで、結果は大きく変わります。

製造業・町工場の経営者様へ

工場のシャッターを完全に下ろす前に、確認しておくべきことがあります。処分業者への依頼は、設備・不動産・取引先の整理が終わった後でも遅くはありません。まずは資産の状況を洗い出してみることから始めましょう。

無料相談前の3つのお約束

  1. 売却や譲渡、および手残りの額を保証するものではありません。あくまで現在の状況を整理し、可能性を探るためのサポートを行います。
  2. 税務・法務に関する最終的な判断は、税理士や弁護士にご確認いただくようご案内いたします。
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