廃業を決意した経営者が最も気を遣うのが従業員への対応です。\n「いつ、何を、どの順番で伝えるか」を\n事前に整理しておくことが重要です。
廃業する時、従業員はどうすれば良いですか?
廃業する時、従業員はどうすれば良いですか?
廃業時の解雇は「整理解雇」とは異なる。会社都合の解雇として扱われる
廃業による従業員の雇用終了は、「会社の都合による解雇」(会社都合退職)として扱われます。これは、業績悪化による整理解雇や、従業員の問題行動による解雇とは異なり、従業員側の責任によるものではないため、失業給付(雇用保険)の受給において従業員に有利な扱いになります。
従業員への告知の前に、以下を準備しておくと告知後のトラブルが少なくなります。
① 廃業日(雇用終了日)の確定
② 退職金の支払い計画(退職金規程がある場合)
③ 給与・未払い残業代の精算
④ 社会保険・雇用保険の手続きスケジュール
⑤ 解雇予告のタイミング(法的要件の確認)
解雇予告は原則「30日前まで」に行う(労働基準法第20条)
廃業に伴う解雇を行う場合、原則として解雇予定日の30日前までに従業員に「解雇予告」をする必要があります(労働基準法第20条)。
30日前の予告ができない場合は、不足する日数分の「解雇予告手当」(平均賃金 × 不足日数)を支払う必要があります。
廃業日を確定させた後、「廃業日 = 雇用終了日」とするか「廃業日より前に雇用終了日を設定するか」を決め、逆算して告知タイミングを設計します。
なお、試用期間中の従業員・日雇い労働者など、一部の例外があります。詳細は社会保険労務士に確認してください。
従業員への告知は「設備・資産の売却見通しが立った後」が理想
「廃業を決めたからすぐ全員に話す」は、経営者の心情としては誠実に見えますが、実務上は問題が生じるリスクがあります。
早すぎる告知のリスク:
・キーマンとなる従業員が先に転職活動を始めてしまい、廃業前に業務が回らなくなる
・取引先に情報が漏れ、売掛金の回収や設備売却の交渉に悪影響が出る
・設備の管理・売却準備が停滞する
告知のタイミングの目安:
① 設備・不動産の売却見込みが立ち「廃業費用と退職金を払える見通し」が出た段階
② 廃業日(雇用終了日)が確定した段階
③ 法的な解雇予告義務(30日前)を満たすタイミング
従業員に先に知らせる場合は、信頼できる幹部社員のみに限定し、段階的に告知することが多いです。
退職金・未払い給与は廃業費用の中でも「最優先」で支払う
廃業時に支払うべき従業員関連の費用には、以下があります。
① 最終給与(廃業日までの給与・残業代)
② 退職金(退職金規程がある場合)
③ 未使用有給休暇の買い取り(任意・法的義務なし)
④ 社会保険の精算(最終月まで)
従業員への未払い給与・退職金は、破産した場合でも「優先債権」として扱われ、金融機関への返済より優先される場合があります。廃業前の設備売却代金は、まず従業員への支払いを確保してから他の債務返済に充てることが重要です。
退職金規程がない場合でも、勤続年数や貢献度に応じて「餞別」「謝礼」として支払う経営者は多くいます。これは義務ではありませんが、円満な廃業のために考慮する価値があります。
社会保険・雇用保険は廃業日に合わせて手続きが必要
廃業時の従業員に関する社会保険・雇用保険の手続きは、以下が必要です。
【雇用保険】
雇用保険の被保険者資格喪失手続きを行い、「離職票」を発行します。廃業(会社都合)の場合、従業員は雇用保険の給付を優遇された条件(自己都合より早く・多く)で受けられます。
【社会保険(健康保険・厚生年金)】
会社の社会保険適用事業所の廃止届を提出します。廃業日に合わせて手続きが必要で、従業員は国民健康保険または任意継続被保険者制度への切り替えが必要になります。
これらの手続きは複数の機関(ハローワーク・年金事務所)に対して行う必要があるため、社会保険労務士に一括依頼することで手間を大幅に削減できます。
「どこから手をつければいいか分からない」という段階からでも、整理のお手伝いをします。
よくある質問
ご相談の流れ
当社は、設備買取業者・M&A支援会社・不動産会社等の提携先から、広告料・紹介料・成約報酬等を受け取る場合があります。ただし、原則として複数候補を提示し、最終的な契約先はお客様ご自身に選択いただきます。
弁護士について
法的整理・破産・債務整理等が必要な可能性がある場合は、弁護士への相談をおすすめします。ご希望があれば、弁護士候補の情報提供は無料で行います。
当社は弁護士から紹介料・成約報酬を受け取りません。
まずは無料相談で、整理を始めましょう。
廃業・設備処分・リース・借入・不動産など、どこから手をつければいいか分からない方へ。
決断を急かすことはしません。まず状況を整理するところから始めましょう。